ABOUT 事業を知る

 

私たちはタイル原料メーカーです。

家の壁や床、水まわり。橋や階段、駅といった公共建築物。商業ビルや動物園、テーマパークなどの娯楽施設。見渡せば私たちの暮らしのあらゆるところでタイルが活躍していることがわかります。ヤマセはタイル原料の出荷量が日本一。日本中のタイルが、私たちが調達・調合・精製・加工して出来上がった「タイル原料」からできているのです。

タイルってどんなもの?

 

【デザイン性】

タイルはあらゆるデザインを可能にする建材です。原材料となる粘土や石の配合、それらを精製・加工する過程、タイル量産時の生産過程によって、さまざまな色・質感・形状を表現することができます。粘土や石といった天然の原材料から生まれる風合いに、唯一無二の美しさを感じることができます。

 

【機能性】

原材料である粘土や石は、自然界に存在する無機物です。ほとんど劣化せず自然界に存在し続け、タイルとして生成されることで優れた耐久性・耐摩耗性を発揮します。雨風や紫外線にも強く、変色や劣化も起きにくいのです。タイルを施工することで防水性が向上し、内部のコンクリートの酸化などの劣化を防ぐことにもつながります。

 

 

 

新しい可能性にニーズ上昇中。

 

タイルには表面に釉薬が施された「施釉タイル」と、釉薬をかけず、素地そのままの色合いを生かした「無釉タイル」に分類されています。古くから粘土や石の配合、釉薬によってデザインを表現していました。しかし近年はプリント技術が急速に発達し、色や模様だけでなく凸凹や光沢まで表現できるようになり、大理石や木材のように見えるタイルが誕生しています。また焼成時に燃料は消費しますが、タイル自体の寿命は半永久です。他製品の代替品として、エコ建材としてのニーズが上昇しているのです。デザイン以外にも、焼成温度を下げて環境に配慮したタイル。汚染物質を取り除くタイル、ヒートアイランド現象を低減するタイル……【原料メーカー+タイルメーカー+建材メーカー】とでタッグを組み、新しいタイルの機能が続々と生まれています。

 

国内の住宅着工数は減っているものの、リフォームや建て替えのニーズは今後も上昇傾向にあります。また世界に目を向けても、タイルマーケットは毎年数%ずつ上昇していくと言われています。タイルで叶えられること・解決できることはまだまだ隠れているはず。私たちヤマセは原材料にもっとも近い存在です。タイル原料メーカーだからこそタイルに新しい可能性を見出すことができると考えています。

私たちの仕事

仕入れるのもお届けするのも

「土」なんです。

タイルの量産をするのはお客様先(タイルメーカーなど)で、私たちは数種類の粘土や石を配合・粉砕・乾燥して作った原料(タイルの素)をお客様にお届けしています。

 

まず国内外の鉱山から原材料となる粘土や石を仕入れ、原材料の調合や加水量、乾燥・粉砕にかける時間といった「タイルの素をつくるためのレシピ」をタイル製品ごとに考えます。その方法で当社工場で精製・加工してタイル原料に仕上げます。そして実際にイメージ通り再現できているかを確認する「タイルの試作」も行っています。

最後にお客様先の設備で大量生産しても品質が保てるように「量産用のレシピ」を作成し、出来上がったタイル原料と一緒にお客様のもとにお届けします。

同じ粘土や石を用いても、

同じタイルは作れない。

仕事の特徴の一つとして、「同じものを再現する難しさ」があります。たとえばご依頼に多いのは、マンションリフォームにあたり「10年前にヤマセが作った白いタイルと同じものが欲しい」というもの。同製品のレシピは残っていますが、その通りに作っても同じタイルにはなりません。なぜなら天然の原材料でできているから。人工的に高度に精製された原材料ではなく、環境(雨や風、気温や季節)によって変質し続けるものを使っているのです10年前に用いた粘土と同じものを使って同じ量・同じ工程で作っても、タイルの色や固さ、寸法に影響が出てしまうのです。

たとえば写真の2枚は同じ原材料で作ったサンプルですが、右の方が少し黒味がかっています。左側に近づけるには、代わりに何を原材料とするか。代替のものを使っても強度や寸法に影響が出ないように、レシピをどう調整するか。 改良方針とその内容を考える必要があります。これが「同じものを再現する難しさ」です。

 

天然物ゆえの原材料のゆらぎを、タイルという完成品に出さないように管理すること。私たちが原材料をどう選び、どう精製・加工するかでお客様の理想が実現できるかどうかが決まるのです。

全く同じ3枚に見えますか?

タイル1枚は小さな建材ですが、実際に施工されるとなると空間に何百、何千枚と敷き詰められることになります。色合いがもたらす景観への影響は大きく、それゆえに色には厳しい基準を設けて品質を管理しています。

 

ここに3枚のサンプルがあります。一見同じ色に見えるこの3枚は、実は右から色の基準品、合格品、不合格品となっています。不合格品から合格品に至る間に原材料の配合や精製・加工方法を少しずつ調整しており、その結果が微妙な色の違いとして表れているのです。写真越しには判断が難しいレベルですが、肉眼で見ると何となく風合いが異なることがわかります。ここまで細かく色の差を管理するのです。品質が均一ではない天然の原材料を用いても、ノウハウがあればここまで緻密に色をコントロールすることができます。

タイル原料メーカーだから

提案できることがある。

大手建材メーカーや各種研究機関の共同開発者として、新シリーズの開発や課題解決型タイルの開発も手がけています。(一例はこちら)当社も独自に「CO2を吸収して固めるタイル」を開発。調湿と臭いの吸着機能を加え、インテリア調湿タイルとして販売されています。そのほか近年は大型タイルの人気が高まっており、大型でも割れにくい・反りにくい原料の開発にも取り組んでいます。

 

私たちは毎日、粘土や石を自分の目で見て、触れています。粘土や石など原材料が表すデータに向き合い、その特性をどう活かすか、どうコントロールしてイメージ通りに仕上げるかを考えています。原材料に最も近い場所にいる私たちだからこその視点を活かした提案力で、お客様の頼れるパートナーとして応え続けていきます。

ヤマセの特徴

現地調査を
自社で行う

近隣の瀬戸・東濃地域は原材料が豊富で、古くからタイル生産地として栄えてきました。当社はこのエリアからはもちろん、日本中、世界中からも仕入れています。海外なら韓国、中国、インドネシア、ウクライナ、トルコ、イギリスなど。自ら現地の鉱山に赴き、品質がクリアしていると判断したもののみを選んでいます。鉱山は国内であれば基本的に現地まで行きます。海外であれば年に1回ほど訪れています。

タイル以外も
展開中

タイル以外の原料も生産しています。たとえばカラー道路材(バスや ETCレーン、点字ブロック)は、タイルが持つ対摩擦性や耐久性を活かした製品です。交通量の多い道路でもカラーを長く保ち、道路利用者の安全を守ります。そのほか研磨剤、食器、釉薬の原料も生産しています。あらゆる色彩、材質、形状、機能を叶えるオールドセラミックスの可能性は無限大です。

創業100年以上・
タイル原料出荷量日本一

創業100年以上のノウハウの蓄積を強みにした再現力の高さ。お客様のパートナーとしての対応力。新しい技術への挑戦。これらの積み重ねにより、タイル原料の出荷量日本一に達しました。私たちが提供した原料は日本中のタイルに活用されています。この原料で量産されたタイルは国内のみならず、海外にも輸出されています。