INTERVIEW インタビュー

ものづくりには遊び心が欠かせない。
それは営業でも同じです。

技術営業部|H・I

1997年入社(中途)|工学部出身

親が近い仕事に就いていたことも関係し、窯業には馴染みがありヤマセに入社。入社後にイチからノウハウを身につけ、今は色合わせのプロフェッショナルとして活躍。Iが担当したタイルの中には、関東にあるテーマパークに使用されているものもある。

天然原材料を完璧にコントロールすることはできない。
それが面白い。

技術営業の基本的な仕事の流れは、お問合せがあったらサンプルをお持ちする。タイルの色、強度、寸法などのイメージをすり合わせたら試作品を作る。その仕上がりに納得いただければタイル原料をお届けする。新製品開発の場合をのぞけば、大体2~3週間で納品です。これを約20年続けてきました。新規参入が難しい業界ですから、新しいお客様に営業をかけることはほとんどありません。代わりに、今お付き合いしているお客様を大事にしなきゃいけないと教わってきました。ご相談を受けたら何とかして形にしてみせる。何十年も前の古いタイルでも、出すのが難しいとされている鮮やかな色も、これまでに無い新しい機能もです。

 

とは言っても入社したての頃はお客様の方が当たり前に知識が豊富です。なんとか要求に応えねば、誠意は見せねばとがむしゃらな毎日でした。古いタイルを再現しようと言ったって、当時と全く同じ質の土はどこにもありません。では配合をどう調整したら近づけるのだろう。何度も何度も試作をしました。この時やっとの思いでたどり着いた配合も、また10年後の土を使えば再現できなくなっているでしょう。完全な方程式が作れない仕事です。だからこそ、20年間続けても飽きませんでした。だんだんと、経験で自らに刷り込ませていった勘が働くようになってくるのです。それが面白い。そこまで至るとお客様から頼っていただける。一緒にシリーズものを考えたこともあります。売れ筋になっていると教えてもらった時は、喜んでくれる施主さんがいるんだと実感して嬉しかったものです。

自分が作った色が
何百、何千枚と空間を占める。

技術営業には「色合わせ」が任せられています。試作品の色が基準とずれていた場合、青みが強ければ黄色を足す、赤みが強ければ緑を足す、明るすぎれば黒を足す。微妙な色味をコントロールするために配合を算出するのです。自分の正答率が上がっていくと、もっと精度を高めたくなる。好奇心が湧く。営業ですから売上を作るのが仕事です。でも私は、色をどう再現するかを考える、色合わせに限らずお客様と一緒に商品開発への意見を出し合う、出来上がったものに対してもっとこうできないかと考えを巡らす、そこが楽しく、モチベーションであり、数字はその結果としてついてきたものだと考えています。

 

遊び半分・仕事半分で楽しむことが大事なんだと思いますよ。 ここで言う遊びっていうのは、サボるとか脱線する遊びではなく。ものづくりとしての、自分の心の遊びです。どんな仕事でも最初は大変です。苦労します。でもそこでほんの少しでも、楽しい、嬉しい、もっと知りたい、そういう瞬間が見つかれば、大事に大事にしてほしい。それがガソリンとなってあなたを成長させてくれるはずです。